日本の伝統食材「麹」!うつ病の改善に効果的?!#健康 #発酵
麹は、日本酒、味噌、醤油の製造に何世紀にもわたって使用されてきた日本の発酵プロセスです。
近年、麹の潜在的な健康効果、特にうつ病の管理やメンタルヘルスの改善に役立つということに関心が高まっています。
麹の紹介とその歴史
麹は、米や大豆などの穀物に含まれるデンプンを分解するためのカビの一種で、学術的にはAspergillus oryzaeと呼ばれます。
日本を代表とする国菌(国の菌)として認定されています。
麹菌の発酵は、蒸した米に麹菌を植え付け、管理された条件下で成長させることで行われる。
麹の歴史は古く、8世紀ごろから日本の料理や薬に使われていました。
麹は最初、日本酒の発酵に使われ、その後、味噌や醤油の製造に使われたと考えられています。
うつ病と腸内環境との関連性
腸内細菌叢と心の健康には強い関係があることが、研究により明らかになりました。
腸内細菌叢とは、消化管に生息する微生物の集まりで、体の免疫系、代謝、健康全般に重要な役割を果たします。
うつ病の人は、健康な人と腸内細菌が異なり、有益な細菌が少なく、有害な細菌が多いことが研究でわかっています。
このことから、腸内細菌叢を改善することが、うつ病の治療法になる可能性があると考えられています。
麹が体内で働いてメンタルヘルスを改善する仕組み
麹には、アミノ酸、ビタミン、酵素など、健康への効果が期待されるさまざまな化合物が含まれています。麹に含まれる最も重要な化合物のひとつが、γ-アミノ酪酸(GABA)です。
GABAは神経伝達物質の一種で、神経系において重要な役割を果たし、気分、睡眠、不安などを調整するのに役立っています。GABAのレベルが低いと、うつ病や不安障害につながると言われています。
麹を摂取することで体内のGABA濃度が上昇し、気分の改善や不安の解消に役立つ可能性があることが研究で示されています。また、麹は、うつ病やその他の精神疾患の原因として知られる体内の炎症を抑える効果も期待されています。
麹菌の発酵を科学する
麹発酵は、蒸した米に麹菌を植え付け、管理された条件下で成長させるというものです。
麹菌は米のデンプンを分解して単糖にし、さらに発酵させて酒や味噌にすることができます。
麹の発酵過程で、カビは酵素、アミノ酸、ビタミンなど様々な化合物を生成します。
これらの化合物は、麹の独特な味と香りに貢献し、また、健康に役立つ可能性があると考えられています。
麹米は天然の抗うつ剤、不安解消剤として期待できる
麹米は、麹菌を植え付けたが、それ以上発酵させていない米で、その健康効果の可能性が研究されています。
特に、麹米には天然の抗うつ作用や不安感を和らげる作用があることが研究者によって明らかにされています。
ある研究では、麹米を含む餌を与えたマウスは、通常の餌を与えたマウスに比べて、不安やうつ病のレベルが低いことがわかりました。
また、別の研究では、麹米を摂取することで脳内のGABA濃度が上昇し、気分の改善や不安の軽減に役立つ可能性があることがわかりました。
麹を食事に取り入れることのメリット
精神的な健康効果が期待できることに加え、麹は他の健康効果も期待できます。
例えば、消化を助ける酵素が豊富で、血糖値を調整するのに役立つ可能性があります。
麹は良質なタンパク源でもあり、9種類の必須アミノ酸をすべて含み、完全なタンパク質と言えます。また、グルテンフリーで低カロリーであるため、健康的な食生活を送ることができます。
麹のいろいろな摂り方
麹は、調味料や薬味、料理の主役など、さまざまな形で摂取することができます。
麹を食事に取り入れる代表的な方法には、以下のようなものがあります。
- 米や穀類に麹を加えて炊くことで、風味が増す。
- 麹を肉や野菜の調味料として使用する。
- 麹をマリネやソースのベースとして使う
- パンやマフィンなどの焼き菓子に麹を練り込む。
- スムージーなどの飲料に麹を加える。
麹菌を使ったメンタルヘルスのレシピ
麹は、精神的な健康や幸福を促進するために、さまざまなレシピに使用することができます。
いくつかのアイデアをご紹介しますね。
【醤油麹マヨディップ】
材料:
・醤油麹(大さじ1)
・マヨネーズ(大さじ1)
・お好きな野菜(きゅうり、ブロッコリー、人参、カブ、じゃがいも、など)
作り方:
①醤油麹とマヨネーズをあわせ混ぜる
②野菜をカットして、生で食べれないものはボイルしておく
③ディップして食べる
※ダイエットのサラダとして食べたり、お酒のおつまみにもぴったりです。
自家製でも醤油麹を作ることもできますが、手軽に試したい方は、市販の醤油麹を使ったレシピがおすすめです。>>
【塩麹唐揚げ】
材料:
・鶏モモ、ムネ、ササミ(お好きな部位で)
・塩麹(大さじ1)
・おろしにんにく(ひとかけ分)
・片栗粉
・揚げ油
作り方:
①鶏肉を食べやすい大きさにカットする
②鶏肉に塩麹、にんにくを揉み込んで15分くらい馴染ませる
③②の鶏肉に片栗粉をまぶしす
④揚げ油で揚げる
※鶏肉を塩麹で揉み込んで時間を置くことによって、鶏肉も柔らかくなり、しっかりと味も付きます。
自家製でも塩麹を作ることもできますが、手軽に試したい方は、市販の塩麹を使ったレシピがおすすめです。>>
麹のその他の精神的健康効果
麹は、天然の抗うつ剤や不安解消剤としての可能性に加え、その他の精神衛生上の利点があると考えられます。
例えば、認知機能や記憶力を向上させる効果が期待できます。
ある研究では、麹を含む餌を与えたマウスは、通常の餌を与えたマウスに比べ、記憶力や学習能力が高いことがわかりました。
また、別の研究では、麹を摂取することで、脳の神経細胞の成長と生存に重要な役割を果たすタンパク質である脳由来神経栄養因子(BDNF)が増加することが判明しました。
麹の精神疾患治療への可能性に関する結論と今後の研究課題
麹の潜在的なメンタルヘルス効果を完全に理解するためには、より多くの研究が必要ですが、既存の研究では、麹はうつ病や不安に対する有望な自然治療法である可能性が示唆されています。
麹を食事に取り入れることは、メンタルヘルスとウェルビーイングを改善する可能性のある、簡単でおいしい方法です。
今後の研究では、麹が脳や腸内細菌叢に影響を与えるメカニズムをさらに解明し、最大限の効果を得るための最適な投与量や投与方法を特定することに焦点を当てる必要があります。
日本の料理や医療に使われてきた長い歴史を持つ麹は、精神疾患の新たな治療法を解明する鍵を握っているのかもしれません。